家を売る完全ガイド!不動産売却の注意点と初めにやるべき準備
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家を売る完全ガイド!この記事のポイントまとめ
不動産売却を後悔しないためには、売主自身が情報収集を行い、売却の方法や費用、税金について理解しておくことが重要です。以下のポイントを押さえておくと、スムーズで納得のいく売却ができるでしょう。
家を売る方法
家を売る方法には主に3つの選択肢があります。それぞれの特徴を理解して、最適な方法を選びましょう。
- 不動産会社に仲介を依頼し買主を探してもらう
- 不動産会社に家を買い取ってもらう
- 自分で買主を探して個人間売買を行う
また、家を売る際にかかる費用や税金を確認しておくことも重要です。
家を売る際にかかる費用・税金
- 仲介手数料
- 抵当権抹消登記費用
- 抹消登記を依頼する司法書士への報酬
- 印紙税
1.家を売る方法
家を売る方法には、主に以下の3パターンがあります。
- 仲介
- 買取
- 個人間売買
1-1.仲介
仲介は、不動産会社を通じて売却を行う最も一般的な方法です。仲介手数料が発生しますが、次に説明する買取よりも高値で売却できることが多いです。
仲介を利用して家を売却する場合、売却にかかる期間は、マンションで約3カ月、一戸建てで約6カ月程度が一般的です。
1-2.買取
買取は、不動産会社に直接家を買い取ってもらう方法です。仲介手数料がかからず、最短1週間前後で現金化できるため、家を迅速かつ手間なく売却したい方に適しています。
ただし、買取での売却価格は、仲介での売却価格の7~8割程度となることが一般的で、仲介よりも得られる金額が少なくなる傾向があります。そのため、売却価格に関しては注意が必要です。
1-3.個人間売買
個人間売買は、不動産会社を介さず、個人で家の売買を行う方法です。この方法を選択すると、自分で買主を探すことができます。
不動産会社を通さず、仲介手数料がかからない点がメリットですが、不動産売買に関する専門知識が必要なため、初心者にとっては難易度が高い方法です。
家を売るのが初めての方は、仲介または買取を選択する方が、より安心して進めるでしょう。
2.家が売れやすい時期と築年数
家には「売れやすい時期」があります。 売却しやすい時期に売り出せば、比較的短期間での売却を目指せるほか、価格設定を高めにしても売却が期待できるでしょう。
本章では、季節と築年数の観点で見る「売れやすい時期」について解説します。
2-1.【季節】3月が最も売れやすい
不動産取引には繁忙期と閑散期があります。 特に3月は、転勤・進学などにより新年度に向けて住み替え需要が高まり、取引量が増加します。
一方で、1月・8月あたりは取引量が少なく、不動産業界における閑散期といえます。
不動産が特に売れやすい時期とされる3月や9月を狙って売り出したいのであれば、遅くとも2月あるいは8月には査定を済ませて売り出し準備を始めるなど、前倒しの売却スケジュールを組んでおくことが大切です。
2-2.2025年(令和7年)2月は住宅価格の高騰が継続中
近年は、以下のようなさまざまな要因によって物価上昇や住宅需要増が起こり、住宅価格も上昇傾向が続いています。
- 日本銀行の利上げによる住宅ローン金利の変動
- ウッドショック(木材の不足による価格高騰)
- 円安 など
3.家を売る手順

家を売る手順は、上図のように8つの段階を踏みます。
- 事前準備を始める
- 不動産会社に査定依頼する
- 媒介契約を結ぶ
- 売却活動・内覧対応・販促
- 売買契約を結ぶ
- 引っ越し・退去
- 引き渡しを行う
- 確定申告を行う
3-1.事前準備を始める
事前準備をしっかり行うことで、売却を円滑にすすめられ、売却後の悔いが残りにくくなるでしょう。
具体的には、家の査定を依頼する前に、以下の準備を行います。
- 住宅ローンの残高を確認する
- 売却相場を調べておく
- 売却の希望を明確にしておく
- できる限り書類を準備しておく
3-1-1.住宅ローンの残高を確認する
住宅ローンを払い終えてない方は、住宅ローン残高を確認しましょう。
家を売却する際には、原則として決済時に住宅ローンを完済しなければなりません。
3-1-2.売却相場を調べておく
できる範囲で構わないため、自分で売却相場を調査しておきましょう。おおまかな売却相場を把握していれば、不動産会社の査定価額を比較する際の目安になります。
3-1-3.売却の希望を明確にしておく
「いくらぐらいで売りたい」「いつまでに売りたい」といった、売却の希望を明確にしましょう。時間的な余裕がないと、安売りせざるを得ない状況に陥ることになります。したがって、可能な限り余裕を持った見通しを立てるのがポイントです。
3-1-4.できる限り書類を準備しておく
査定や売却に必要な書類は、不動産会社のサポートを受けながら準備することも可能ですが、あらかじめ自分で準備しておくことで、その後の進行がスムーズになります。必要書類を事前に確認し、整えておくことで、時間を節約し、売却プロセスが円滑に進みます。
3-2.不動産会社に査定依頼する
近隣の不動産や、似た条件の不動産の取引を参考に、売却価格の相場をおおまかに把握したうえで、不動産会社に家の査定を依頼しましょう。
なお、査定額は不動産会社によって変動します。そのため、査定は複数の不動産会社に依頼するのがポイントです。また、査定額だけではなく、査定時の不動産会社の対応も慎重に比較しましょう。
家の相場を知りたい方、家を買い替えたくても資金がないという方は、一度不動産会社に相談してみてください。正確な査定額を知ることで、資金計画を立てやすくなります。
3-3.媒介契約を結ぶ
査定額や不動産会社の対応などをもとに、売却を依頼する不動産会社を選定します。不動産会社を決定したら、媒介契約を結びましょう。
3-4.売却活動・内覧対応・販促
媒介契約を結んだ後、不動産会社は買主を探すために売却活動を行います。具体的な活動内容としては、インターネットや店舗に広告を出したり、チラシを投函するなどが考えられます。
売り出し価格は、査定額や売却相場を参考にして売主が決定します。その価格が広告やチラシに反映され、購入希望者が現れた場合、家の内覧が行われます。
家に住みながら売却活動を進める場合は、売主自身が内覧対応を行うため、内覧準備を整えておくことが大切です。
3-5.売買契約を結ぶ
買主が見つかったら、売買契約を結びます。この際、宅地建物取引士が重要事項説明を行い、契約の条件について確認します。
契約を結んだ後は簡単に覆すことはできませんので、不明点や疑問点があれば、契約を結ぶ前にしっかり確認することが重要です。事前に確認しておくことで、後悔を防ぎ、スムーズに売却を進めることができます。
3-6.引っ越し・退去
売買契約を締結したら、引き渡しまでに引っ越しと退去を完了させる必要があります。新居が未定(もしくは入居できる時期がまだ先)の場合は、仮住まいを手配しましょう。
売買契約の締結から引き渡しまでの期間は通常1カ月程度のため、それほど猶予はありません。引き渡し前に焦ることがないよう、引っ越し会社の手配や引っ越しに伴う各種変更手続きなどは、売却活動と並行して進めておくことをおすすめします。
3-7.引き渡しを行う
3-8.確定申告を行う
家を引き渡したら、確定申告を翌年2月16日~3月15日の間に行いましょう。これにより、税金を抑えられる可能性があります。
4.家を売るのにかかる期間

5.家を売るときにかかる費用・税金
家の売却には、以下のような費用と税金がかかります。
名称 | 金額や計算方法など |
---|---|
仲介手数料 | 取引価格400万円超の場合 取引価格×3%+6万円(税別) |
抵当権抹消登記費用 | 不動産1個につき1,000円 |
抹消登記時の司法書士への報酬 | 1万円~2万円程度 |
印紙税 | 1,000万円超5,000万円以下の契約の場合は1万円 ※2027年(令和9年)3月31日までの軽減措置 |
譲渡所得税 | 住民税や所得税 ※最高3,000万円の特別控除あり |
引っ越し代 | 荷物の量や行き先によって変動 |
5-1.仲介手数料
仲介手数料は、不動産会社が買主を紹介してくれたことに対して支払う手数料のことを指します。
取引価格ごとに、以下のように仲介手数料の上限が決められています。
【仲介手数料の上限額】
取引価格(税別) | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下の金額 | 5%以内の額(+消費税) |
200万円~400万円以下の金額 | 4%以内の額+2万円(+消費税) |
400万円を超える金額 | 3%以内の額+6万円(+消費税) |
出典:“宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額”. 国土交通省
例えば、取引価格1,000万円の場合の仲介手数料は、「1,000万×3%+6万円=36万円(税別)」となります。
5-2.譲渡所得税
家を売って購入時の金額よりも高く売れた場合は、譲渡所得税として所得税や住民税がかかります。
譲渡所得税は、物件の所有期間によって税率が変わります。具体的には、不動産を売却した年の1月1日現在で、その土地や建物の所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」に、5年以下の場合は「短期譲渡所得」の税率が適用されます。
課税方法 | 税率(所得税) | 税率(住民税) |
---|---|---|
長期譲渡所得(所有期間5年超) | 15% | 5% |
短期譲渡所得(所有期間5年以下) | 30% | 9% |
5-3.税金の控除と確定申告
家を売却した場合、確定申告を行うと税金の控除が受けられます。
確定申告は、翌年2月16日~3月15日の間に行う必要があるため、忘れないようにしましょう。
6.家を売る際に必要な書類
家の売却時に必要な書類は、家のタイプや状況などによって異なります。何を用意すればいいかわからない場合は、不動産会社に相談しましょう。
本章では、必要書類を以下の2つに分けて解説します。
- 不動産会社に査定を依頼するときの必要書類
- 買主に引き渡しをするときの必要書類
6-1.不動産会社に査定を依頼するときの必要書類
机上査定や訪問査定を行う際、資料が多いほどより正確な査定が可能になります。書類がなくても簡易的な査定を受けることはできますが、可能な限り必要な資料を準備しておくことで、査定がスムーズに進みます。
▼不動産会社に査定を依頼するときに必要な書類
書類の名称 | マンション | 一戸建て | 土地 |
---|---|---|---|
登記事項証明書(登記簿謄本) | 〇 | 〇 | 〇 |
売買契約書 | △ | △ | △ |
物件購入時の重要事項説明書 | △ | △ | △ |
登記済権利証または登記識別情報 | 〇 | 〇 | 〇 |
確定測量図・境界確認書 | - | 〇 | 〇 |
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 | 〇 | 〇 | 〇 |
物件の図面 | 〇 | 〇 | - |
設備の仕様書 | △ | △ | - |
建築確認済証および検査済証 | - | △ | - |
建築設計図書・工事記録書 | - | △ | - |
マンションの管理規約または使用細則 | 〇 | - | - |
マンション維持費関連書類 | 〇 | - | - |
耐震診断報告書 | △ | △ | - |
アスベスト使用調査報告書 | △ | △ | - |
必要書類は物件種別(一戸建てかマンションか)によって異なるので、査定依頼した不動産会社にアドバイスを受けながら書類をそろえましょう。したがって、親身になってくれる不動産会社を選ぶことをおすすめします。
6-2.買主に引き渡しをするときの必要書類
▼買主に引き渡しをするときの必要書類
書類の名称 | マンション | 一戸建て | 土地 |
---|---|---|---|
本人確認書類 | 〇 | 〇 | 〇 |
実印 | 〇 | 〇 | 〇 |
印鑑証明書 | 〇 | 〇 | 〇 |
住民票 | 〇 | 〇 | 〇 |
銀行口座の通帳(銀行振り込み先情報) | 〇 | 〇 | 〇 |
ローン残高証明書または返済予定表 | 〇 | 〇 | 〇 |
物件のパンフレット | △ | △ | - |